運動あそびに知能を高める工夫をすることで子どもの発達を促します。 アイコン

最新情報・コラム

運動あそびに知能を高める工夫をすることで子どもの発達を促します。

私達の頭の中は、場所によっていろいろな働きをしています。
1つ目は、対人的なコミュニケーションの知能です。
相手と話をする、関係を作る、仲良くするという知能です。
2つ目は、論理・数学的知能です。
「これはこうなるからこうだ」という論理的な思考や順序、
そして数の理解といった知能です。
3つ目は、博物学的な知能です。
小学校の教科に置き換えると理科や社会になります。
4つ目は、空間的な知能です。
例えば立体的な形を理解したり、地図を読解する力です。
5つ目は、内省的な知能です。
過去に失敗をしてしまった経験を元に反省したり、将来に向けて
次はこうしてみようと考える知能です。
6つ目は言語・語学的な知能です。
言葉や文字を使うと能力です。
7つ目は身体運動感覚知能す。
これは、体を動かす知能です。
8つ目は音楽・リズムの知能です。

子ども達を指導していく中で、何をやれば良いかわからなくなったり、
やってみたいことがたくさんあって困ってしまうことが
ありますが、根本にはこの8つの知能を高めるということが
あるので、そこを意識していくと良いと思います。

なので、例えば「クマさん歩き」でも対人的な部分を高めたければ
友達と2人でペアになり、並んでクマさんの姿勢でボールを挟んで一緒に
運んでみる遊び方、1人がさつまいもになって床をごろごろ転がり、
もう1人が上から覆いかぶさるようにクマさん歩きをしてみるなどの
アレンジ遊びができます。

他にも、言語を使うアレンジやリズム感を育てるアレンジなど
やり方次第で自在に遊びを変化させていくことができ、
柳澤運動プログラムでは何百種類の遊びがあります。
それを子どもの発達段階に合わせて提供していくことで、
育てたい力を効果的に養っていくことができます。

今日はその柳澤運動プログラムの中から「おつかいゲーム(複雑)」
をご紹介します。
「おつかいゲーム」は保育園の年少児からでもできますが、
今回は年長児向けの複雑な条件を組み合わせた遊び方です。

スタートラインから少し離れたところに、絵カード、帽子、
ぬいぐるみ、色付きの紙コップなどいろいろな物を複数
並べて置いておきます。
子どもはその中から指導者に指示されたものを持ってきますが、
ただ歩いて持ってくるのではなく、
「クマ歩きで「り」から始まる赤くて丸い物を持って、
帰りはフープのトンネルをくぐって戻ってきましょう」
「後ろ歩きで行って、頭にかぶる物を持ったら
帰りはカンガルージャンプで戻ってきましょう」
のようにいくつもの条件を指定して行なうようにします。

ただ、最初から複雑すぎる指示を出すと子どものやる気を
損なってしまうことがあるので、子ども達に合わせて
工夫するようにしてください。
簡単すぎるようであれば、2人組みで行なうルールなども
おすすめです。

年長児になると、ある程度先のことまで記憶して実行することが
できるようになってきます。
この遊びでは、劇遊びや集団遊びなどで役立つ全体を見通す力を
育てることができ、コミュニケーション能力や集中力、
抑制力などの発達も促すことができるので、
ぜひ子ども達に合わせたアレンジをしながら遊んでみてください。

一覧へ戻る